英語で考えるとは(1) ---- 英語と日本語
英語教育ではよく、英語で考えろとか、英語は単語だ、暗記だ、などと言われています。
そして、英語に興味を持っている日本人は 英語を母語とする人に負けないぐらいの英単語を暗記していると思います。
でも日本人は英語を使うために苦労しています。
なぜでしょうか?
まず、日本人が言うところの”英語で考える”とは
- (1)日本語で考えないで (?) 暗記した英語、習慣になった英語で表現できる。
- (2)英語を母語とする人のように 日本語とはまったく関係なく英語で考えることができる。
- (3)二国語で育ったフランス系カナダ人のように 二国語で自由に考えることができる。
(1) の場合は
記憶の中から適切な英語を取り出しているのであり 速度が速ければ速いほど英語で考えているようにみえますが
早い,遅いはともかく
- 受信する場合
- 日本語を通して記憶した英語を日本語を介して受信する。
- 発信する場合
- 日本語で考えてからその日本語に適する英語を 記憶の中から取り出して発信するのであり
英文読解にしろ、英文構成にしろ、身についているのは日本語で英語は日本語の延長上にあります。
そして、適切な英語はどれかを日本語で考えているのであり
"英語で考えている”とはいえません。
(2) の場合は
日本で生まれ育った日本人には該当しません。
(3) の場合は
英語圏で生まれ英語と日本語で育った日本人であればべつですが これも日本で生まれ育った日本人には該当しません。
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では(1)の場合をもうすこし詳しく考えていきましょう。
ことばというものは、はじめにモノやコトが存在して それらのモノやコトについた名前です。
ことばを覚える過程は日本語にしても英語にしても
身近なモノやコトの名前から覚えていきます。
そして小さいときに母語で覚えた名前や文のしくみは忘れようと努力しても よほどのことがない限り忘れるものではありません。
second language を習う場合は
母語で覚えた名前や文のしくみに上書きしていきます。
例えば
英語に興味のある日本の社会人であれば
This is a book. = これは本です。
という公式は日本語を基にしたイメージに英語で上書きされていて
This は主語であり is は動詞で a book は一冊の本 なのでなどと考えなくてもすぐにわかります。
これは日本語の延長としてイメージできる回路が脳の中に出来上がっているからです。
そして、イメージされている基本は日本語です。
ではどうすればこのような回路をたくさん作ることができるのでしょうか。
それは回路を混乱させないようにカンタンな公式を日本語で学ぶことです。
日本人がイメージできることばは日本語です。
英語を深く理解すればするほど、日本語でイメージしたものを理解しています。
日本の成人が
英文読解、
英文構成、
英会話、
を習得するには
英語の構造を納得できるような論理で 日本語を通して理解していくことです。
英語を日本語にしたり、日本語を英語にしたりというのではなく
英語の構造の論理を日本語で理解するということです。
理屈が通れば理解するのはカンタンです。
スポンサードリンク論理的な英語 ... 英語と日本語
論理的に考える
日本語にしろ英語にしろ
月と数を並べれば月日となるといっても
論理的に考えて、七月には三十一日しかありませんから 七月三十二日や July 32 とはいいません。
上記のような例は極端ですが、英語で考えるには論理的(logical)に考える必要があります。
でも困るのは英語の論理と日本語の論理が同じでないときです。
例えば ... 動詞、している
英語を母語とする人は
『I read a book.』とは言わないそうです。
文法的な誤りはないのですが、論理的に間違っているといわれました。
教育英語では動詞の現在形は日本語で『~をします』で
現在の動作、行為(動詞の現在形)と習ってきました。
I read a book. を日本語にすると
わたしは一冊の本を読みます。
『I read. = わたしは読みます = 動詞の現在形(読んでいます)』と
疑問を持たずに覚えてきました。
で、一見何が誤っているのか判断できません。
でも、英語の動詞の現在形の定義は
- 『習慣になった動作、行動、行為』であり
- 実際に『わたしは今(現在)読んでいます』という場合には
- I am reading. になります。
- そして read の現在形を翻訳すると
- I read. = わたしは習慣的に読みます。
習慣になった動作、行動、行為であり 教育英語のread の現在形とは ニュアンスがすこし変わってきます。
read が『読む』という 習慣になった動作を表すことばだとすれば、 ある人が一冊の本だけを習慣的に読むはずはないので、論理的に間違っているということです。
- I read a book yesterday. とか
- I read books. とか,
- I read the book. となれば問題はありません。
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